カテゴリ:CD評( 26 )

押尾コータロー「BOLERO! Be HAPPY LIVE」

 ボレロ!Be HAPPY LIVEはBe HAPPYツアーの様子を収録したライブ・アルバム。DVDとの変則2枚組という構成を採っている。ここではCDについて。

 収録しているのはタイトル曲「ボレロ」や「Merry Christmas Mr. Lawrence」「HARDRAIN」といった押尾コータローおなじみのものから,最新アルバムBe HAPPY収録の比較的最近の曲,CD未収録の曲など幅広い。ライブならではの勢い(とそれに伴う粗さ)があって,ライブの“空気感”みたいなものは十分に感じられる。

 ただ押尾コータローのライブといえば,MCのおもしろさや,一人メンバー紹介やファミコン・メドレーといったインストもののライブにはあまりないユニークな楽曲の楽しさといったものも大事なスパイスとなっている。それらがごっそりそぎ落とされているのはちょっと残念。確かに楽曲を聴かせることに主眼を置くのだから,全体のまとまりが得られていいのかもしれないし,実際どんなおもしろいMCであっても何度も聞いていれば飽きるとういもの。そこらへんはしょうがないといえば,しょうがない。

 じゃあ楽曲を聴かせるアルバムとしてはどうかと考えると,今度は聴き込んでいくうちに勢いより粗さの方が目立ってくるかもしれない懸念がある。音作り自体,スタジオで収録したCDに比べればどうしても見劣りがするし,演奏自体も勢いを味として楽しめる期間は短そうな気もする。

 というわけで総評としては,うーん。保留。DVDと合わせればお買い得感はあるかな,というところ。CDでしか押尾コータローを聴いたことがないヒトには雰囲気が分かるから悪くはないのだが,ライブの魅力がすべて伝わるとも思えないし。これから聴くというヒトには粗さがちょっと目立ちそうな気がする。でもライブアルバムなんて,もともとコアなファン層向けのモノだからいいのか。
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by northCountry | 2004-12-16 14:39 | CD評

押尾コータロー「Be HAPPY」

 第一印象から正直あんまり変わったこともないし,もう本当は書かないでいいかと思ってたんだけど (^^;)。7月にはいって書くネタもあんまりないし,遅ればせながらちゃんと書いておきましょう。

 発売前から公式サイトに載っていたプロモーション・ビデオの出来映えからも,期待させる内容だった「翼~ you are the HERO」。ドライブ感満杯の楽曲から始まるこのアルバムは,完成度という点ではこれまでから1歩抜けたような気がする。例えば録音一つとってみても,インディーズ時代はもちろん,メジャー1stのStarting Pointあたりと比べてもだいぶよくなっている。音楽的にもバランスがとれている。スピード感あるドライブ系,しっとり聞かせるタイプでも「Dear..」や「見上げてごらん夜の星を」のようなスロー・バラードだけでなく,「ミスティ・ナイト」のようにスピード感と切なさを併せ持った楽曲あり,「天使の日曜日」のようなボサノヴァあり。

 第一印象でまず「おお」と思ったのは「ファイト!」。なるほどバリトンギターかあ,と後で合点した。結構ベース・ソロのカッコいいフレーズって好きなんで,これが印象強かった。あと,ゲスト・プレーヤーを招いての「坂の上の公園」は,某有名ファンサイトではあまり評価されていなかったようだが,正解だと思った。明らかに音楽的な広がりがある以上,ソロギター・スタイルに拘泥しすぎることはない。逆にこれをライブでどう味付けるのかがまた楽しみとも言える。

 難点を挙げるとすれば二つ。「AQUA-MARINE」は正直,どこかで聞いた同じフレーズ使ってるなと思った。メロディ・アレンジとも。これは既視感一杯でイマイチ。「Jupiter」をソロギターで演奏するというチャレンジはすごかった。確かにすごい。結構聞かせてくれる。だがそこまでで,なぜソロギターである必然性が感じられなかった。

 全体的には“押尾コータロー節”満載のアルバムに仕上がっていて,安心して人に薦められる出来だと思う。
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by northCountry | 2004-07-12 17:48 | CD評

中川イサト,住出勝則,岸部眞明,丸山ももたろう,下山亮平,上久保康夫「DayBreak」

 6人のフィンガー・ピッカーによるオムニバス・アルバム。
 中川イサト,下山亮平,丸山ももたろうと続く前半は,なんだか妙な統一感がある。むしろ,既視感と呼ぶべきかもしれない。イサト御大はイサト御大らしくというか,あまり変わらないというか。だが困るのは,ほかの二人もあんまり差がなく感じるところだ。悪いわけじゃないが,いまひとつ良さが浮かんでこない。

 後半にはいるといきなり住出さんが「Temptation」で雰囲気を変えてくれる。相変わらずGroovyって感じでいいやね。住出さんは。続くHidden AgendaもGroove感たっぷり。そしてバラードも聞かせてくれる。「One more color for the rainbow」だ。
 そして次の上久保さん。この人の演奏は初めて聴いたが,意外といい。正直,拾いものだと思った(こんな表現は失礼なのだが)。これだけの演奏ができて,プロとして活動していないらしい。スゴイものだ。それだけプロの音楽家としてやっていくのは大変なのだろうけれど。
 締めの岸部さんもさすがに安定感と楽曲の個性は際だっていた。「Rodeo」の躍動感。「想い出」の明るく,そして甘酸っぱい感じ。やっぱ岸部さんはいいねえ。

 イサト御大は何か自分のホームページで,「その後」と表してプレーヤーやレーベル批判を展開していたが,正直なんか勘違いしてんじゃないと思った。このアルバムが「フィンガーピッキングに夜明けをもたらすのだ」「そのためにはレーベルが●万枚売らねばならない」「プレーヤーはもっと数多くの演奏機会を作って広めねばならない」みたいなことを考えていそうだとは思ったけど,そんな都合良くいくわけがない。
 レーベルが売る努力をしてないとか批判してたけど,まだまだアコースティック・ギター音楽のパイはそんなに大きくない。押尾さんが6万枚売れているのは特別なんだ。それは楽曲だけじゃない。ルックスやプレー・スタイル,ライブのトーク,マーケティング戦略。悪いけれど,「中川イサト」という商品と「押尾コータロー」という商品を比較したときに,どこをとっても売れる要素は押尾コータローの方が今は上だ。そのすべてをトータルに考えてやっとあの水準だということを考えれば,そう簡単に売れるもんじゃない。自分を評して「孤高」(高いんだよ!)とか言ってちゃ,ダメだよ。
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by northCountry | 2004-07-12 17:27 | CD評

押尾コータロー「Be HAPPY」発売!

 ついに出ましたメジャー第3作。まだ聞き込んではいないが,とりあえず第一印象は,ドライブ感はDramaticほどではないけれど,音楽的な完成度やソロギター・スタイルとのマッチング度合いは上がっていると感じた。つまり,ボクの心配は杞憂だったわけだ。
 「翼~you are the HERO~」はカッコイイ。前作の「Chaser」や「Splash」で感じた音の伸びの不足をうまく楽曲で補っているのもわかる。あと,音楽家押尾コータローの成長を感じさせたのは,ソロギター・スタイルではない「坂の上の公園」がすごくいい感じに仕上がっていたこと。「ファイト!」もバリトン・ギターのせいかとあとから気づいたのだが,音楽的な広がりを見せてくれた作品だ。
 このほか気に入っているのは,「桜・咲くころ」と「ミスティ・ナイト」。「Dear...」は楽譜が出たら弾けるかもしれないので期待している。
 「ジュピター」はすごいし頑張っているとは思うけど,ややムリがあったような気がする。
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by northCountry | 2004-06-23 19:10 | CD評

南澤大介「Eleven Small Rubishes」

 「ソロ・ギターのしらべ」シリーズですっかり有名になった南澤さんのソロギター・アルバム。いろんなところで弾いた彼自身の楽曲で,ソロ・ギター・スタイルのものを寄せ集めたもので,当初クリニックなどでは,「ちゃんとしたソロギター・アルバムも出します」と言っていた。あれから2年以上経つが,まだ出る様子はない(彼のサイトを見ていると,仕事はしているみたいだけど)。

 アコースティック・ギター・マガジンで使った「Song For FG」や「Song For S」,芝居やプラネタリウムの番組などのBGMに使われた曲が入っている。従って統一感もないし,確かに聴いていると音がバラバラ。でもまあ全体に言うと,清涼感のある楽曲が多いように思う。悪く言えば,ちょっと刺激が足りない。なんつーか,NHKの朝の連ドラ的とでもいうのか。その中では,ストロークを多用した「Matt」がカッコイイ。曲の完成度では「雪うさぎ」と「帽ふれ」がいいと思った。

 というわけで,期待しています。南澤センセ。

 ちなみに私,ソロ・ギターのしらべシリーズは全部そろえてます。
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by northCountry | 2004-05-21 16:21 | CD評

石川鷹彦「WORDS」

 いろんなヒトのアルバムに,ギタリストとして参加している石川鷹彦。Amazon.co.jpで検索すると,やたら出てくるが本人のものは少ない。もう,昔っから有名な人だが,ソロアルバムは3枚しか出していないのだ。
 実はあまり期待していなかった。それだけに予想外に(申し訳ない!)よくって驚いたというのが本音だ。特に感じるのが,ギターの音がきれいであること。何が違うんだろうなあ。録音?腕?楽器?どれもすごいんだろうけど,すごく「生音」っぽい印象を受けたのだ。個別の曲をどうこう言うより,この印象がすごく強い。

 楽曲に関しては,誤解を恐れずに言えばやや演歌風味というか,フォークっぽいというのか。イサトさんやコマンチさんみたいに「和」のテイストを出す感じではなく,どちらかというと倫典さんや岸部さんの世界に近い。で,ボクはこういう世界が結構好きだったりする。
 なかでも一押しは,「Scotts Hill」「Dori」あたりかなあ。レコードで言えばA面にあたる,前半部の方が好きだな。さて,こうなると,別のアルバムも聴いてみたくなるし,楽譜があれば手に入れたくなる。ああ,悪い病気が始まりそうだ。
WORDS
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by northCountry | 2004-04-02 12:15 | CD評

岡崎倫典「夢で逢いましょう」

 1994年の倫典さんのアルバム。さすがに5枚目ともなると,傾向がつかめてきているので驚きや感激はあまりない。でもまあ,相変わらず高みで安定した美しいアルバムであることは間違いない。
 まず名曲と言っていい「夢であいましょう」の美しいバラードから始まる。続く「迎夢~Crisis in Dream~」なんかは,アレンジ含めて聴いたことがあるパターンのような気もする。でもカッコいいからいいや。「Def-Con3」なんて,セキュリティ会議と関係あるのか?と思いつつ,これもスピードがあっていい感じにまとまっている。
 実は「大地の輝」と「天空回廊」に期待してこのアルバムを購入した。その点からすると,大地の輝はちょっと期待ほどではなかった。「トトラの島」くらいのスケール感を期待していたのだが。ライブでソロギターで聴いたときの方がよかったような気がする。

夢で逢いましょう
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by northCountry | 2004-04-02 12:00 | CD評

住出勝則「Ain't Life Grand」

 住出勝則の4thアルバム。Shadow Dancerと一緒に購入した。
 正直な感想を言えば,Shadow Dancerの方が上だと思う。もちろんGroove感はいいし,Shadow Dancer聞いてなければ十分納得できただろう。でも個々の曲を聞いて,どっちが好みって言われたら断然Shadow Dancerを取ってしまう。

 決してタタキ系ばかりじゃなくて,バラードも聞かせるし,やっぱしうまい。よく言われることだが,だてにシグナルでフォーク・デュオをやってたわけじゃない。それが「歌心」というのかどうかはしらないけど。たぶん,あのパフォーマンスぶり(とにかく気持ちよさそうなんだ!弾き方が)は,聴衆を楽しませようという心から出ているのだろう。押尾コータローのそれとは違うけれど,やっぱりライブがいい人なんだな。
 岸部さんに足りないところはここかもしれない。彼は非常に丁寧で繊細なプレーをするが,顔が完全にギターの方を向いてしまって聴衆からその表情が見えない。あれではちょっとねえ。岸部さんもCD聞くよりライブの方がすごいと思ったけど,そこが残念だ。

 まとめてしまえば,いいアルバムであることは間違いない。だが,サード・アルバムからの進化というのが個人的には感じられなかった。というわけで,最新アルバムを買うかどうか,まだ迷っている。
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by northCountry | 2004-03-09 19:38 | CD評

住出勝則「Shadow Dancer」

 一応ギター弾きの私としては,せっかくCDを購入するんだったらある程度弾けるようになりたい(といっても,全曲制覇は死ぬまでやっても無理だろうけど)。だから,楽譜が発行されているか,発行されることを前提としてCDを購入することが多い。

 でもこのアルバムはそんなこと関係なしに購入した。1年くらい前に中川イサト,岸部眞明,住出勝則の3氏によるジョイント・ライブを聞きに行ったのがきっかけだ。実のところ,お目当ては岸部さんだった。岸部さんの「Hajimari」は鳥肌がたつほどすごかったが,それ以上に驚いたのが住出さんのプレイだった。とにかく,ノリノリである。誰かがGroove Masterと評していたが,うなずけるところだ。ライブで演奏した3人の中で,唯一プレイヤーではなくパフォーマーと言える演奏家だったと思う。

 で,そのライブの感激をそのまま再現してくれたのがこの「Shadow Dancer」。2001年に発行されたサード・アルバムである。スピード感のある「Funk Rag」は,ボディ・ヒッティングを効果的に使っているノリのよい楽曲だ。タイトル曲の「Shadow Dancer」は,ミディアム・テンポを有効に使っていて,心を揺さぶられる感じがした。一転して「One Heart」でスローで美しい曲を入れるあたりの配置もいい。
 ちなみに,一番のお気に入りはその次に来る「She's a Groover」。いや,本当にGrooveってこういうことなんだね。
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by northCountry | 2004-03-09 19:32 | CD評

岡崎倫典「'96 Kamakura FM 82.8」

 82.8MHz,鎌倉の地域FM局のイメージ・アルバム。この前年にはオムニバスという形でイメージ・アルバムが出されたようだ。オープニングの「1192 KAMAKURA」は,最初の出音を聞いた時点でわくわくするような名曲。1192は鎌倉幕府の開設から来ているのか。
 鎌倉と言えば海であり,その点でファースト・アルバムの「Bayside Resort」からタイトル曲が入っているのはわかるような気がする。Your SongやTammy,Smoke Gets in Your Eyesといったアレンジものも収録されていて,バリエーションに富んでいるが,基本的に海岸の道をドライブするときのBGMという感じではないだろうか。
 今さら気が付いたが,倫典さんのアルバムがアコースティック・ギター・プレーヤーのアルバムで一番揃っているかもしれない。
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by northCountry | 2004-02-18 19:07 | CD評