黒川利明「作品としてのプログラム」

 面白い。まだ2章しか読んでないけど。
 黒川利明といえば,ボクの中では培風館の「Lisp入門」というイメージが一番で,竹内郁雄の「初めての人のためのLisp」で出てくるK大先生とは彼のことだと思っている。
 たまたま図書館で見かけた「作品としてのプログラム」を見つけ,読んでみた。
 これが面白いのである。出てくる要素は多少古いが,基本的には現代でも通用する内容だ。元は1986年の岩波書店「科学」に連載していた内容というから,既に20年が経過している。でも考え方は通用する。たとえば日本語プログラミング環境として出てくる「朱唇」なんて,おそらく今では残っていないだろうが,プログラムを考えるうえで言語に依存しない部分(要はアルゴリズム)はあるし,そこを考えるにあたって自然言語(日本語)で論理的に考えるのは必要というもの。日本語を軽視してはいけないというのは当然の主張である。日本語は論理敵ではないとか,論理を考えにくいとか今でも言われている。でもそれじゃあ,本来プログラムなんて組めないんだよ。

 こういう本は今こそ必要なんじゃないか。発行された1990年くらいだと,ソフトウェアの重要性というのが今ほど認められていなかったように思う。いけいけどんどんの時代で,基礎がないがしろにされていた。今なら,根本というか本質というか,そういったあたりに対する情報ニーズがあるはずだ。改訂のうえ,新しく情報を盛り込めば売れそうな気がするのだが。
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by northCountry | 2005-04-17 14:17 | 書評


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